実は、逗子の海に行った理由は、すぐ隣の美術館で開催されている砂澤ビッキ展に行くためでした。
砂澤ビッキさん。
失礼ながら、私は今回初めて知りました。
アイヌの人たちが歌う子守唄「60のゆりかご」を聞いて以来、アイヌと聞くと、この歌が頭の中で再生される。
ボンヤリとそんなことを思いながら美術館に足を踏み入れたとたん……
【彫刻】というものに対しての概念がひっくり返った。
そこにある作品達は、ただ置かれているだけなのに、明らかに「置物」ではなかった。
生き生きとしていて、まるで呼吸をしているようだった。
「ダルマさんが転んだ」
といって、勢いつけて振り返ったら一個くらい止まり切れずに動いてるんじゃないか?
と思うくらい「気配」を感じた。
すごいすごい。
これが、魂を込める、ということなのかな。
アイヌ、と聞くと今後はあの子守唄と同時にこの作品達も頭をよぎるに違いない。